とりあえず

http://www.asahi.com/politics/update/1220/009.html

 政府の規制改革・民間開放推進会議(議長・宮内義彦オリックス会長)が21日に決める最終答申で、公共サービスを官民の競争入札にかける市場化テストの当面の入札検討対象から、国立美術館国立博物館を除外することが分かった。06年度から美術館、博物館の業務を対象とすることを検討していたが、文化人らから「一律の効率性追求は危険」などと強い批判が出ていた。
 同会議側は当初、国立美術館などについて、「早急に市場化テストを実施」との表現で06年度にも入札を実施するよう要求する予定でいたが、撤回に追い込まれた。ただ答申は民間開放すべき独立行政法人として国立美術館国立博物館文化財研究所の項目を設け、「政府の民間開放・市場化テストに関する議論や地方の公立美術館の運営管理の動向も注視し、質の向上の検討や工夫を速やかに行う」と明記し、議論を続ける姿勢を示した。07年度以降に向け、再び焦点となる可能性もある。

よかったよかった。
経済的効率性の観点のみからぐちぐちいう問題ではなかろう。「とりあえず印象派でもやっておけ、客が入るから」なんてことになったら目も当てられない。
ただ、美術館・博物館の問題が経済的に黒字になるかどうかという基準ではかれない問題だということは、「質の向上の検討や工夫」を行わなくとも良い、ということを意味しない。個人的に思うこととして、子供と美術館・博物館の関係は、もっと繋がりを深めたほうがよい、ということがある*1。私のようなど素人が考えつくことなのだから、おそらく、他の論点も含めて、すでにいろいろな所で議論されているのだろう。時間ができたら、どういう議論が行われているのか調べてみたい。
とここまで書いてきて、なにかどこかで「美術館・博物館」を「大学」に変えても同じことになるのかな、とも思えてきた*2

*1:リテラシー」という言葉で表されるのだろうか。金沢の21世紀美術館にいったときには、子供とのつながりを強く感じられた。

*2:法学部に限定すれば、文脈は異なるけれども、子供への法教育、というのは本格的に考えなければならないテーマだろうし。