温暖化対策に貢献しているわけですよ

http://www.asahi.com/national/update/0406/TKY200604060182.html

 車にとっては危なげで、歩行者の近くを猛スピードで駆け抜けるなど「危険」という批判が多い自転車の安全対策を進めるため、警察庁は通行方法や歩行者の安全確保などの検討に乗り出すことを決めた。法律や工学の専門家、業界の代表者ら7人と同庁で構成する「自転車対策検討懇談会」を設け、今月12日に初会合を開く。
 便利で環境に優しい自転車は日常の交通手段のほか、スポーツやレジャーでも人気が高い。半面、乗車中の死傷者数は増加傾向にあり、昨年は10年前に比べて約5万人増の約18万6000人に上った。特に同乗の幼児が頭部をけがするケースが増え、昨年の死傷者数は2130人だった。
 悪質運転の自転車も目立つ。昨年に起きた自転車運転中の死傷者のうち、交差点の安全進行や通行区分の違反など自転車側に違反のある割合は約7割(約12万2000人)を占めた。特に死者では4人に3人に当たる633人が何らかの違反を犯していた。
 警察庁はこれまで酒酔いや信号無視、一時不停止や無灯火などの自転車に対しては注意する程度にしていたが、今後は指導や警告を強化するとともに、悪質な運転者には刑事処分の対象として取り締まる方針に切り替えるという。
 さらに交通ルールを守らない自転車の中高生が多いため、教育現場での交通安全教育を推進したり、同乗の幼児にヘルメットを着用するように呼びかけたりしている。
 政府が先月まとめた第8次交通安全基本計画(06年度から5年間)では交通事故の死者を2010年度までに5500人以下に抑えると掲げた。達成するためには自転車の死者数を年間2割以上減らさなければならないという。
 警察庁は「マナーやルールを守って乗ることが第一。幅広い意見を求めて解決策を探りたい」と話している。

そんな気合を入れた自転車好きというわけではないけれど、7〜8kmの道のりを自転車通勤している身からすると、このニュースには、うなずくところもあれば腹立たしいところもある。
うなずく方からいくと、マナーのひどすぎる自転車乗りが多すぎる。一時不停止の自転車が横道から飛び出してきて、あわてて急ブレーキをかけたら、自転車から前方に3mほど(多分)放り出されて死にかけた経験もある(ありがとう、前まわり受身)。夜、無灯火で、しかも携帯でメールしながら乗っているやつにぶつけられそうになったこともある。歩道でとばしている自転車には「車道走れよ、あほ」と思うし*1、車道で逆走してくる自転車には怒り以外の感情は出てこない*2。この辺は、容赦なくきっちり取り締まってほしいと思う。
けど、腹立たしい方は、自転車を明らかに邪魔者扱いしていること。歩行者との関係で「危ない」といわれれば、「そりゃ自転車の方のマナーが悪い」と納得するけれど、「車にとっては危なげで」ってなんだよそりゃ。車の方が、まっとうに走ってる自転車に配慮するって視点はないのかよ*3。自転車についての違反の取締りを厳しくしても良い、交通安全教育を推進するのも良い。それはそれでじゃんじゃんやってもらっていいから、自転車を交通システムの中にちゃんと組み込む、ってことをやってほしい。「便利で環境に優しい」なんていうんだったら、自転車にまっとうな位置づけを与えてくれ。
どうでもいいけど、「自転車対策検討懇談会」に入る法律の専門家ってだれだろ?

*1:そもそも自転車は車道を走るのが原則(道交法17条1項)。歩道などは特例で走らせてもらっているだけ(道交法17条の2第1項、同63条の4第1項)。

*2:当然車道で自転車は左側通行(道交法17条4項)。

*3:加えて、自動車運転中の死傷者が交通ルールに違反している割合ってどのくらいなんだろう。スピード違反が日常茶飯事なわけだから、7割なんてもんじゃない気がする。