引き寄せる文章力

 美しいものにはとても敏感なのに、醜いものには恐ろしく鈍感なのが、現代の日本人である。
 その理由を私は、ブランドやイベントのような非日常を追いかけることに心を奪われて、日々繰り返される日常の奥深さをないがしろにしてきたからではないかと考えている。
Pen163号44頁

ひさしぶりにPen*1を買った。以前からデザイン関係の特集のときにちょこちょこ買っていたけれど、最近は忙しくて。で、今回の特集が生活デザイン。やっぱり、感覚で読むっていうのは気分が楽*2。そんな感じで読んでいたなかで、この文章で論文のことが頭に出てきてしまった。これは、この特集の総論にあたる序文の最初の文章。感嘆。どのような問題意識のもとで、どのような方向に向かって、何をこれからやっていくのか、ということを、ぱっとイメージできてしまった*3。指導教官に「みんな忙しいから序論と結論をまず読んでみて、それで面白そうなら全部読むわけだから。特に序論は大事だよ」とか「序論を書くのは難しいから、本論が全部書き終わってから書くといいよ」とかいわれたことを思い出した。で、自分の論文では、、、悲しいからやめやめ。

*1:http://www.hankyu-com.co.jp/pen/

*2:「何となく」の感覚で読めない法律の論文を読むのはやはり疲れるもので

*3:もちろん、イラストやタイトル(「生活デザインから学ぶ、日常の愛し方」)からもイメージの土台ができていたと思うし、内容に強く共感したからというのもあると思うけれども